なぜ阪神タイガースはV逸したのか②

阪神球団は生え抜きに極端に冷淡ですが、私が違和感を覚えるのは冷淡さよりもそれを隠そうともしない拙さです。
金本知憲政権下で、掛布雅之が二軍監督を務めたことがありました。

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タイガース内での格で言えば一軍と二軍逆じゃないかとは思いますが、掛布が阪神で冷遇された経緯を考えると致し方ない部分もあります
結局、金本と掛布の関係が上手く行かなかったのでしょう。掛布には私生活で色々あるようですし(金本にも色々あったようですが)、二軍監督時代の育成も今から思えば成果を出したとは言い難い。金本が掛布を切る形になってしまいました。ただ、これはいくらなんでも拙い。もう少し、球団主導でやれなかったのか。OBやオールドファンからすれば、金本は何様のつもりだということになります。
挙句、成績不振とネット上での炎上が原因で、金本も阪神を石持て追われる羽目になりました。
それから、古くは田淵や江夏に始まり掛布、岡田、今岡。近年では鳥谷、能見といった生え抜き功労者は尽く寂しい形で阪神を去っています
良い辞め方を出来たのは、和田豊藤川球児くらいでしょうか。
私が特に違和感を覚えたのは、鳥谷敬への扱いです。
確かに阪神を去る前の鳥谷敬はどこからどう見ても衰えが隠せず、高額年俸に見合うような選手ではありませんでした。今も千葉ロッテマリーンズに在籍していますが、正直無理に現役にしがみついている印象は否めない。あの時阪神球団が鳥谷を切ろうとしたことは決して間違いではないと思います。
ただ、あまりにやり方が稚拙過ぎた。
鳥谷との面談後、球団副社長は「鳥谷君は現役続行の意思が強いようです」と語ったそうですが、鳥谷が現役続行の意思を持っていることを知らずに面談したのか。阪神のフロントは本社からの出向が殆んどですが、これだけ大きな企業の役員が何の手札も持たず、相手の情報もなく、根回しもせずに交渉事にあたるのかと呆れました。
阪神といえば、とかく育成力の低さを批判されがちです。が、決して阪神から選手が育っていないわけではない。ただ、阪神で育った選手は、殆どドラフト中位以下だったり、一位でも外れや外れ外れのそればかり。競合で獲得した藤浪、高山、佐藤といった大物選手の育成に失敗したのは掛布や今岡、鳥谷らへの処遇を見るにつけ、彼らが萎縮するような環境があるのではないかと思うのです。